たまには仕事の話なんかを。

コンプリート

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たまには仕事の話なんかを。

旧ホームページより過去のお店日記

2011/08/19 たまには仕事の話なんかを。

こんにちは。
コンプリートの雑賀でございます。
 
突然ですが下の写真の配線、どちらが正しいハンダでしょうか?

何年か前にも同じようなネタをご紹介しましたけどね。
赤と青、どちらのハンダが正しいでしょうか?
 
正解は青。
赤は確かにハンダが乗っているんですけどね、配線にハンダが「載っている」だけなんです。
ハンダは配線の中にしみ込んでそれぞれの配線同士をくっつける物ですからね。
本当にハンダがしみ込んでいる部分はそれぞれの配線同士がハンダで固まって金属のようになっています。
 
この状況だと配線をひっくり返すとこんな形↓

赤は裏に来てないでしょ?青はしっかりしみこんでいます。
実際に車両にインストールするときにはその配線の裏側なんての是けないことも多々ありますからハンダはしっかりとしみ込ませないとだめですね。
 
よく「うちの配線はすべてハンダで結線してますから」なんてショップもありますが、間違いではないんですがハンダで結線するのが目的ではなくてしっかりと配線をつなげるのが目的でハンダはその為の手段です。
手段が間違ってたら目的も達成されないですよね。
最近やった他店作業のセキュリティ手直しでこのハンダが原因だったもんで今日はこんなものを作ってみました。
 
そんでもって、このハンダ、しっかりつけていると鉄のように固くなりますのでこのハンダポイントがどうこうなることはまずありません。
問題はその横。

この写真でいう黄色がAポイント、緑がB、赤がCです。
AからBのポイントまでは金属のように固くなっているのでまず外れることはありません。
一番弱いのはこの写真でいえばBのラインの直下。ハンダポイントのすぐ横です。
ここが車の振動で振られたりしてしまえばちょこっとハンダがしみて固くなっている部分なので折れます。
意外と簡単に。
人間の骨なんかも骨折して折れたところのすぐ横が折れやすくなるそうです。
なのでこのハンダの部分、テープで絶縁をしますがこの絶縁テープを巻く理由はハンダ部の絶縁の意味もありますが一番はこのBポイントが動かないようにする意味に重きを置きます、僕は。

この写真でいうと爪の部分がAポイント、緑線がBポイントでテープが切れているところがCポイントです。
ハンダ部よりずいぶん右側にテープが長いのがわかります。
Bポイントに力が掛からないように右側に伸ばしているんですね。
コンプリートでは滑走路と呼んでいますが車両の線に割り込ませるときハンダ後この滑走路をなるべく長くとれるようにハンダポイントを探します。車両の線からゆっくりなだらかにテイクオフしていく感じですね。
そうすると車両の線にもセキュリティの線にも負担はかかりません。
 
ただ、実際の作業では当然滑走路を長くとれないことだってあります。
ハンダポイントのすぐ横から曲げないといけない場面ですね。
このようにたくさんの滑走路をとれない場合はどうするか?
空母からのテイクオフであればカタパルトで発艦できますが…。
そのような時にはこうします↓

Bポイントのすぐ右でタイラップ。
そうすることで仮にすぐ曲がったり、万が一車の振動で振られたりしても一番弱いBポイントには衝撃が与えられません。
タイラップをしているところはハンダのしみていない柔軟性のある部分ですね。
ハンダづけ一つにしてもいろいろな技術が要求されます。
間違ったはんだ付けをするんだったら「まだエレクトロタップの方がマシ」という事もあります。
 
ハンダはしっかりと取付けること、長く安心するための手段であって目的ではありません。
私も含めて作業する人間はしっかりと理解していないといけませんね(^O^)/
 
あっ、やべぇ。
仕事に戻らなきゃ。
バイチャ!!

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